ビジネスインテリジェンスとは?
ビジネスインテリジェンスとは何でしょうか?
ビジネスインテリジェンスは Business Intelligence と書くので、BI と略します。
IT をやっていると 「ビーアイ」というのは良く聞く言葉ですが、これはいったい何なのでしょうか。
BI の概要は次のように考えてよいと私は思います。
BI というのは、「経営判断のために、さまざまなデータをわかりやすく表示することをサポートするシステム」です。
例えば、「先月の売り上げはどのくらい?」「それは先々月よりも良いのか、悪いのか?」「前年度同月よりも良い?」「コスト削減は改善されたか?」など、 ざっくり言って「会社が持っているデータ」をさまざまな切り口でみることによって、会社を経営しているわけです。
そういう情報・データを、「一覧に表示してひと目でわかりやすくする」「グラフにして比較しやすくする」「グラフでひとめで傾向がつかめるようにする」ということが、 BI で目指すものです。
BI システムの基本要素
上記のことを実践するために、BI システムというのはいくつかの主要コンポーネントを持っています。
BI システム全体を考えるときは、次のように分けて考えるとわかりやすいです。
- 運用システム
- 統合レイヤー
- データウェアハウス
- レポーティングシステム
運用システム (Operational System) というのは、実際の業務の運用状態です。
実際の運用の時は ERP、SCM などのまとまったシステムを使っている場合もありますし、同時あるいは個別に、 各部署ではエクセルやアクセスなどの個別ファイルまで、様々な場所に運用データが散らかった状態になっていることもあります。
これではそこからズバッとわかりやすいデータを表示することなどできません。そのため、それらのデータを一箇所に吸い上げてまとめ上げる必要があります。
一般に各種データをまとめあげる際には、データの一時保管場所を用意するなどします。それを ODS (Operational Data Store) などと呼びます。 あるいは、データベースのステージング領域 (Staging Area) にデータを取り込みます。
こうしたデータ統合の営みを 統合レイヤー (Integration Layer) で行うと考えます。
また、システム間でデータを取り込む際には、データ抽出 (Extract)、変換 (Transform) そして 読み込み (Load) というステップが常に付きまといますが、 BI ではそれらをまとめて ETL といいます。
さて、統合レイヤーにまとめられたデータは、BI の目的である「わかりやすく表示」しやすいような形で保存しておかねばなりません。
そうした形で保存する場所を データウェアハウス といいます。
英単語のウェアハウス (warehouse) という言葉は、もともと「倉庫」という意味です。ですからデータウェアハウスというのは「データの倉庫」ということです。 必要なデータを倉庫から出してきて、レポートに仕立て上げる」というイメージですね。
そして最後は レポーティングシステム です。
データウェアハウスのデータを取り出してきて、グラフ(チャート)にしたり、わかりやすいレポート(帳票)に出力します。
BI のシステムをみるときは、こうした活動それぞれを、そのシステムがどのようにサポートしているか、という枠組みで考えると全体像を把握しやすいです。