SQL Server BI の全体像

ここでは SQL Server BI で登場する各種サービスの役割分担を説明します。

SQL Server BI に登場するツール・サービス群

BI とは?」では BI システムを次のように分類するとわかりやすい、と説明しました。

  • 運用システム
  • 統合レイヤー
  • データウェアハウス
  • レポーティングシステム

そもそも BI で必要なこと

おさらいになりますが、これを簡単に言うと、次のような状況です。

まず実際の業務が行なわれている現場があります (運用システム)。

そこで運用されるデータは、Excel ファイルであったり、CRM や ERP などのシステムであったりと様々です。 社内のあちこちに散らばったデータから、何らかの判断を下すために、まずはそれらを取りまとめるツールなり仕組みが必要です (統合レイヤー)。

取りまとめたデータを、意図したとおりに分析し情報を素早くみるために最適化されたデータストアに格納します (データウェアハウス)。

データウェアハウスに格納された情報を取り出し、レポーティングシステムでわかりやすく表示します。

BI にはこのようなステップがあります。

SQL Server のツール・サービスの役割分担

マイクロソフト SQL Server では、それぞれのステップ毎にツールなりサービスが提供されています。

統合レイヤーにおける ETL は Microsoft Integration Services (SSIS) で行ないます。

SSIS では ETL で必要なタスクの定義、実行、ロギング等を簡単に行なえるように、SSIS デザイナーが用意されています。これは Visual Studio のプラグインという形式で提供されています。 Microsoft BusinessIntelligence では BI 系ツールのプラグインを組み込んだ Visual Studio ツールを SQL Server Data Tools (SSDT) という名前で提供しています。

実作業としては、SSDT で SSIS のプロジェクトを作成することで、ETL を実装できるということになります。

次に、取り込んだデータからディメンション、メジャー、そしてキューブを定義して、データウェアハウスを構築しますが、これを SQL Server Analysis Services (SSAS) が行ないます。

最後に、レポートを作成・表示するというのは、その名の通り、SQL Server Reporting Services (SSRS) で行ないます。